■アユ・ストーン

●アユ・ストーン開発の経緯

 近年、全国各地の河川で、河床の巨石、玉石などが減少し、河状ならびに流況が単調になると共に 多くの生物の生息場所としての機能が低下したのではないかという疑問を生じている。 その対策として、巨石投入が各地で試みられている。 その目的は、河川生態の基盤を支える付着藻類の着生面積を増やすことと良好な付着藻類の着生を促すこと、 流れを多様化することにより休息場を生み出し、水生生物の餌場、住み家になることと、洪水時には魚の隠れ場にもなることである。
 投入する巨石は、もちろん川石が望ましいが、持ち出される川でも、その石は当然貴重なものであり、 次善の策として山石が使用されているのが現状である。確かに山石にも十分藻類が付着するが、その大きさによっては、 洪水で流失したり、埋没したりするケースが多い。また、アユは横からアゴをこすりつけて付着藻類を喰むために、 より滑らかな表面を好む。これらの点で山石には難点が残されている。これに着目した私共は、微細な藻類が付着しやすいように、 表面を滑らかにした、栗饅頭型ブロックを開発、作成するに至った。
 何よりも自然にやさしく、アユが好む石と発想したことから、「アユ・ストーン」の名称が誕生した。

●アユ・ストーンと川石・山石との比較

項目アユ・ストーン川石山石
1.藻類の付着
2.餌の喰み易い形と大きさ×
3.餌の喰み易い表面形状×
4.魚類の生息場所の提供×
5.流失の恐れ×
6.埋没の恐れ×
7.景観
8.自然環境に対する影響×
9.経済性×

◎:非常に良い ○:良い △:やや悪い ×:悪い -:非対象
注)1~6の川石の項は現在あるものの評価。
  7~9の川石の項は他河川からの移設は考えられないので対象としなかった。

●施工例

大野川<緒方川> (大分)
大野川<緒方川> (大分)
高津川(島根)
高津川(島根)
魚野川(新潟)
那珂川(栃木)
佐波川(山口)
阿賀川(福島)
大瀬川(宮崎)
大瀬川(宮崎)
紫川(福岡)
紫川(福岡)
狩野川 木工沈床押さえ
大野川 カヌーコース設定
那珂川 巨石
アユ・ストーンのカタログはこちらから。